地平線に向かって果てしなく広がる砂漠の低木地帯であるヌラーバーは、オーストラリアで最も不気味で異世界感のある風景のひとつです。しかしよく見てみると、ドラマチックな崖や人里離れたビーチ、色とりどりの野生の花の絨毯、一風変わったアトラクションなどがあることがわかります。自分のペースで長いドライブ旅行をするもよし、インディアン・パシフィック鉄道でスタイリッシュな旅行をするもよし、どちらをとってもヌラーバーの旅はいつまでも思い出に残るものになるでしょう。

ヌラーバーという名前には「木がない」いう意味があります。この広大で乾燥したヌラーバーは、オーストラリアの南端に1,200キロメートルにわたって広がっており、パースから車で8時間のところにある西オーストラリア州の金鉱の町ノースマンと、南オーストラリア州のエアー半島にあるセドゥナを結びます。

オーストラリアで最も長く、最もまっすぐで、最も平坦なこの道路を眺めていると、空気が揺らいでいるように感じられます。露出した花崗岩やユークラ国立公園の広大な砂丘を訪れてみてください。雨上がりの春の野生の花との出会いもあるかもしれません。そびえ立つ海食崖の上からグレート・オーストラリア・バイトの打ち寄せる波を眺めたり、カイグナ・ブローホールで地球の「呼吸」を感じたりするのもよいでしょう。

しかし、どこまでも続くこの平原は、決して砂漠ではありません。野生のラクダ、優雅なカンガルー、好奇心旺盛なエミューなどを、低木地帯を歩いている途中で見ることができるでしょう。オーストラリア初の鳥類観測所であるエア鳥類観測所で、メジロ、クルマサカオウム、ミツスイを観察してみましょう。

個性豊かな人々や伝統的なアウトバックのロードハウスのあるヌラーバーの広大な土地には、ユニークなアトラクションもあります。バラドニアに墜落したアメリカのスカイラブの残骸を見学したり、世界最長のゴルフコースである全長1,385キロのナラーバー・リンクスでプレーを楽しむこともできます。

そして夜が訪れたなら、ビロードのような夜空を眺め、宝石のような星が無限にきらめく星座を見ることができるでしょう。