フリーマントルは人を惹きつけ、いつまでも滞在したいと思わせる街です。歴史的建造物が立ち並ぶ狭い通り、カモメが舞い漁船が揺れる港、一点ものの店、型破りなビール醸造所、奇抜な大道芸人などが、その魅力です。パース中心部から電車で25分、またはスターリング・ハイウェイを車で30分ほど行けば訪れることができます。

地元の人々が「フレオ」と呼ぶこの街には、賑やかなマーケットと同じくらい鮮やかな歴史があります。1897年以来、囚人、追いはぎ、脱獄囚や船乗りたちがこの地をよく訪れ、アーティスト、作り手、栽培者の何百もの小さな露店が、フリーマントル・マーケットの石灰岩の壁の内側に集まってきました。このDNAが、クリエイティブで独立心旺盛な人々を生み出してきたのです。ウォーキング・ツアーに申し込んで、この港町の特徴的な過去と現在について話を聞いてみましょう。多くの人が、かつてのパブや海運会社、倉庫を再利用した壮大な建築物が立ち並ぶ、遺産登録されたウエスト・エンドを散策しています。また、世界遺産に登録されているフリーマントル刑務所の地下道を、オーバーオールにヘルメットをかぶってライトの明かりを頼りに探検し、囚人について知ることもできます。

新鮮なシーフードと熱々のチップスの匂いに誘われてフリーマントルのフィッシング・ボート・ハーバーを訪れ、オーストラリアで最も有名なロックンロール・スターで地元育ちのAC/DCのフロントマン、ボン・スコットの銅像を探しましょう。錆びたいかりをたどっていくと、南半球随一の海洋考古学博物館とされる西オーストラリア難破船博物館があります。その近くの西オーストラリア海洋博物館では、1983年のアメリカス・カップで優勝したオーストラリアII号や、全長89メートルの潜水艦などを展示しており、中を見学できます。この2つの施設の間にあるのが、地元の人々に愛されるひっそりした砂浜、ベイザース・ビーチです。

エスプラネード・パークの観覧車に乗って上からすべてを眺めたら、賑やかなオープンエア・レストランが並ぶマーケット・ストリートでブティックやギャラリーを覗いてみてください。ハイ・ストリートのショッピング・モールを抜けると、Walyalup Koort(アボリジニのニュンガル語で「フリーマントルの中心」の意味)があります。キングス・スクエア周辺に位置するこのショッピング・レストランエリアは2021年12月にオープンし、フリーマントル史上最大の官民共同インフラプロジェクトとなりました。