マックス・ブレアリーの特集記事


西オーストラリア州を象徴する自然の魅力——それは、何といっても壮大な海岸線です。海岸線や内陸の河川敷では、何万年にもわたって、この大地の伝統的な所有者である先住民が暮らしを営んできました。彼らの季節の捉え方は現代の暦とは異なり、水上・水中・水辺で起こる自然の変化を手がかりに移ろいを見極めます。西オーストラリア州を故郷とする人々にとって、ビーチは単なる夏の風物詩ではありません。年間を通した日常生活の舞台であると共に、社交の場でもあり、さらに季節ごとの旬の味わいを楽しむ食文化とも深く結びついています。近年、バリアフリーに配慮したツーリズムへの関心が高まる中、パース(Perth/Boorloo)と周辺地域のビーチや河川では、バリアフリーに向けた取り組みが次々と導入されています。


パース、スカボロー・ビーチ


パース(Perth/Boorloo)のビーチ

絶景で知られるコッテスロー・ビーチ(Cottesloe Beach)は、ビーチだけでなく、海沿いのレストランやカフェも多くの人々に親しまれています。また、毎年10月から翌年4月30日までの期間はビーチ用車椅子を無料でレンタルでき、希望者はスペーストゥ・カンパニー(SpacetoCo)で予約できます。

コッテスローの北に位置するスカボロー(Scarborough)では、近年、数百万ドル規模の海岸エリア再開発が進められ、海岸線沿いのホテルやアパートメント・ホテルが見事に生まれ変わりました。この地域でもビーチ用車椅子をレンタルできます。希望者は、スカボロー・サーフ・ライフ・セービング・クラブ(Scarboro Surf Life Saving Club)の建物内にあるスターリン市ビーチサービス局(City of Stirling Beach Services Team)に問い合わせてください。また、屋外に設置された温水の浅いレクリエーション用プールも車椅子でアクセスできるバリアフリー設計となっており、安心して利用できます。プールエリアへは、海岸側からエレベーターで昇降できます。


パース(Perth/Boorloo)南部のビーチ

パースから車を45分南に走らせると、ロッキンガム(Rockingham)に辿り着きます。ロッキンガムで楽しめるアクティビティには、野生動物観察のほか、フェリーで向かうペンギン島(Penguin Island)日帰りツアーが特に人気です。フェリー乗船所にはバリアフリー仕様のスロープが設置されており、島内には段差を抑えた木道が整備されています。ロッキンガムでも、ロッキンガム観光センター(Rockingham Visitor Centre)やパース・ワイルドライフ・エンカウンターズ(Perth Wildlife Encounters)、ヨットクラブ(Yacht Club)などからビーチ用車椅子をレンタルできます。また、シーズン中は多くのビーチで車椅子用マットが敷かれています。ロッキンガム・フォーショア(Rockingham Foreshore)、パーム・ビーチ(Palm Beach)、イースト・ロッキンガム(East Rockingham)のガバナー・ロード・リザーブ(Governor Road Reserve)、ベル・パーク(Bell Park)、フィービー・ハイマス・パーク(Phoebe Hymus Park)などが、マットを利用して車椅子でも快適に移動できる代表的な観光スポットです。


ロッキンガム、パース・ワイルドライフ・エンカウンターズ


パース(Perth/Boorloo)北部のビーチ

パース中心地区(Perth CBD)から車で25分ほど北上したエリアに広がるムラルー・ビーチ(Mullaloo Beach)でもビーチ用車椅子をレンタルでき、海まで快適にアクセスできるよう専用マットが敷設されています。ACROD(オーストラリア障がい者リハビリ協会)のマークが表示された駐車スペースが確保されているメインの駐車場からは、ビーチへ直接アクセスできる通路が整備されています。

ムラルー・ビーチからさらに北上すると、ヤンチェプ・ビーチ(Yanchep Beach)に到着します。このビーチは、パースから車で約50分の距離にあり、壮大なドライブコースとして知られるインディアン・オーシャン・ドライブ(Indian Ocean Drive)へのゲートウェイとして、多くの人々が立ち寄っています。ヤンチェプ・ビーチにも車椅子用のマットが敷かれており、ビーチ用車椅子をレンタルできます。


フリーマントル(Fremantle/Walyalup)のビーチ

西オーストラリア州を代表する港町、フリーマントル(Fremantle/Walyalup)には見事なビーチが3か所にあり、いずれのビーチでもバリアフリーの工夫が施されています。特に、西オーストラリア難破船博物館(WA Shipwrecks Museum)では、館内で無料レンタルできるビーチ用車椅子を使って、目の前に広がるベイザーズ・ビーチ(Bather’s Beach)までスムーズに移動できます。車椅子は、年間を通して博物館の開館時間に合わせて利用できます(午前7:00~午後5:00)。

サウス・ビーチ・カフェ(South Beach Cafe)でも同様にビーチ用車椅子を一年中無料でレンタルできます。利用時間は午前7:00から午後5:00までとなっています。

さらに、人気のレイトン・ビーチ(Leighton Beach)では、ビーチ用車椅子の保管場所からビーチまで専用マットが敷かれており、快適に移動できるよう工夫が凝らされています。カフェ「オレンジ・ボックス(Orange Box)」でも同様に、ビーチ用車椅子を午前7:00~午後3:00の時間帯でレンタルできます。朝一番に訪れて、美味しいコーヒーと朝食を頬張りながら、西オーストラリア州ならではの至福の時間を味わいましょう。


フリーマントル、レイトン・ビーチ


ロットネスト島(Rottnest Island/Wadjemup)のビーチ

数々の美しいビーチや湾で知られるロットネスト島(Rottnest Island/Wadjemup)には、バリアフリーに配慮した広めの遊歩道が各所に整備されており、ほとんどの施設へスロープでアクセスできます。ビーチ用品や自転車をレンタルできるペダル&フリッパー(Pedal & Flipper)では、電動スクーターをはじめ、バリアフリー対応の用具も各種取り揃えています。また、観光センター(Visitor Centre)でも車椅子のレンタルを行っていますが、台数に限りがあるため、先着順での利用となります。


ロットネスト島、ザ・ベイスン


パース(Perth/Boorloo)の河川

パースには、広々とした海岸線やビーチだけでなく、内陸を流れるスワン・リバー(Swan River)をはじめとする河川や水路もあり、いずれも人気のレクリエーション・スポットとなっています。ビーチが目の前に広がる海沿いのサー・ジェームズ・ミッチェル・パーク(Sir James Mitchell Park)やサウス・パース(South Perth)のウォーターフロント地区へは、市中心部のバラック・ストリート桟橋(Barrack Street Jetty)からメンズ・ストリートへ向かうフェリーでアクセスできます。サウス・パースのエスプラネード(Esplanade)東端にある障がい者用駐車スペースに隣接するセンテッド・ガーデンズ(Scented Gardens)付近には、大人サイズと子供サイズのビーチ用車椅子がそれぞれ用意されています。また、センテッド・ガーデンズには、輝くビーチへと続くスロープ、水飲み場、ピクニック用テーブル、バーベキュー設備が完備されています。

パースヒルズ(Perth Hills)にあるレシュノールシャ湖(Lake Leschenaultia)は、キャンプやカヌー、遊泳が楽しめる人気のスポットで、バーベキュー施設も利用できます。面積168ヘクタールのブッシュランドに位置するこの湖は、かつて蒸気機関車への給水用ダムとして利用されていました。ムンダリング町役場(Shire of Mundaring)では多目的車椅子の貸し出しを行っているので、利用を希望される方は事前に問い合わせてください。



(情報: 2024年5月現在)