パース(Perth/Boorloo)のそびえ立つ高層ビルの足元から、アウトバックの広大な砂漠の平原まで。西オーストラリア州には、心を揺さぶる風景へと通じる古代からの入り口が至るところに、そしてさりげなく存在します。その場所へ足を踏み入れるにあたり、「さあ、夢の世界へ旅立とう(Walking On A Dream)」のキャストとクルーは、すべての撮影地で「ウェルカム・トゥ・カントリー(Welcome to Country)」の儀式を受けました。そこでは、この土地の伝統的な守り手であり、何千年にもわたって長老たちが語り継いできた物語を持つ、世界最古の生きた文化とのつながりが大切にされています。
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パース(Perth/Boorloo)での撮影初日、カメラが回り始める前に、「さあ、夢の世界へ旅立とう(Walking On A Dream)」のチームはきらめくスワンリバー(Swan River/Derbal Yerrigan)の岸辺へ向かい、ヌーンガーのガイドでありワラン・ブリディル・カルチュラル・ツアーズのオーナー兼ツアー会社の経営者でもあるニック・エイブラハムと出会います。
パース(Perth/Boorloo)で生まれ育ち、10代の頃は西オーストラリア州グレート・サザン(Great Southern)地域のカントリーで過ごしたニックは、ワジュク(Whadjuk)、ユード(Yued)、バラドン(Ballardong)、ウィルメン(Wilmen)、ワダンディ(Wadandi)、ビンジェラップ(Binjerup)といったカントリーにまたがる文化的なつながりを持ち、パースの土地に伝わる古代の物語を伝えることができます。
この日、彼はスワンリバーの岸辺で、伝統的な「ウェルカム・トゥ・カントリー(Welcome to Country)」の儀式を行います。そこはまさに、彼の祖先たちが葦や塩湿地の中でdjildjit(魚)を獲っていた場所でもあります。
ワラン・ブリディル・アボリジナル・カルチュラル・ツアーズ
すぐ近くでパース(Perth/Boorloo)市の街が静かにざわめくなか、翼を大きく広げた輝く精霊の鳥が人々を引き寄せ、心を静め、その物語に耳を傾け、この土地と水、そして空の魔法を深く吸い込むように体感させます。
「私たちは、ワジュク・ヌーンガー・ブージャ(Whadjuk Noongar Boodja)にあるエリザベス運河にいます。今日、私たちの顔をなでていくこの心地よい風を、ぜひ感じてみてください。それは、このカントリーのスピリットが今もここにあり、大切にされていることを教えてくれています」と、ニックは温かく迎えるような口調で語ります。
オーストラリアで最も日照時間の長い首都であるこの街で、昼でも夜でもカントリーとのつながりを感じることは、彼にとってとてもシンプルなことです。それは、太陽が昇り沈むこと、そして昼と夜が巡るサイクルを意識することなのです。

エリザベス運河
「満月の夜でも、闇夜の日でも、この美しく素晴らしいカントリーには、まだまだたくさんの光があるのが見えるんです。」
今、ニックの話にみんなの目が集中し、心と魂も彼の語るこの土地の最初の物語に引き寄せられます。文化と言語、知識と知恵、彼の民族が何世代にもわたって受け継いできた価値観や共有の目的が語られます。
「私たちの文化、過去、そして未来を分かち合うことが、私の心をとても強くしてくれます」と、ニックは語ります。彼は意図的に、自身のカルチュラル・ツアー会社を、ヌーンガー(Nyoongar)語で「気づくための啓発」を意味する「Warrang-Bridil」と名付けました。

「さあ、夢の世界へ旅立とう(Walking On A Dream)」、パース、エリザベス運河
「私たちの民族が数えきれないほどの世代にわたりこのカントリーで暮らしてきたことを認めてもらいたい。そして今も、多くの人々とこのカントリーを分かち合いたいと思っています」と、ニックは笑顔で語ります。「太陽は世界中を巡り、他の国々もその太陽を私たちと共有しています。でも、ここで太陽を私たちと共有することで、人々はこのカントリーとつながることができます。そして、私たち人間として共通する部分を理解し、尊重できるのです。」
(情報:2026年2月現在)