西オーストラリア州で育ったクリエイティブディレクターのケン・レオン は、これまでユニクロやDKNYなどの世界的なファッションブランドのクリエイティブディレクションを手がけ、世界最後の真の荒野の1つが広がるキンバリーのブルームやカナナラの各地を舞台に #WeWearAustralian キャンペーンの撮影を主導しました。

 #WeWearAustralian は、オーストラリアの複数のファッションブランドが結成したコレクティブであるShowroom-Xによるイニシアチブです。そのクリエイティブコンセプトは「自由」で、光を強調するものでした。そこで舞台に選ばれたのが、キンバリーの別世界のような大地と鋭い奇岩群。その背後には鮮やかな青空、ピンダンと呼ばれる赤い砂、そして紺碧の水が広がっています。


私たちはオーストラリアを着ています - ショーのキンバリー (Kimberley)の色

インディア・アンダーソン、ネイオミ・スティーヴンズ、ウィル・カリンバ、シンディー・ロストロンとアンガス・マイニアー、ジェイムズ・ジャイルズ
ミリウン地区のアーガイル湖、撮影:ジェイムズ・ジャイルズ


ケンは、このほどニューヨークでの海外生活から帰国し、西オーストラリア州で過ごした時間について、そしてキンバリーでのプロジェクトに参加した経験について、次のように語りました。



1)西オーストラリア州で育ち、長年海外で暮らしながら働いた後、このほどパースに戻ってこられました。何がきっかけで故郷に帰ろうと思われたのですか。そしてパースに戻ってきたことで、何にワクワクしていらっしゃいますか。

パースに戻ってから、これまでにない鮮やかなエネルギーに気づきました。ファッション、アート、グルメ、そして文化の分野で様々なチャンスがあり、クリエイティブ業界が沸き立っています。


2)西オーストラリア州の人であることはご自身にとってどのような意味があるか、さらに教えていただけますか。

西オーストラリア州の人であるということは贅沢なことです。クリエイティブになれる時間や空間があります。私は、世界のどこよりも、ここでよりクリエイティブになれます。


クラブ・クリーク (Crab Creek)のモデルウィリアム・カイルバ

モデル:ウィリアム・カリンバ、ヤウル地区のジュクンのクラブ・クリーク
撮影:クレア・ハート


3)キンバリーは、世界の最後の真の荒野地域の1つで、とても特別な場所です。撮影中に最も目を引いた別世界のような体験または場所について教えてください。

ブルームでは?
ブルームの色鮮やかさ、そして文化の豊かさにワクワクしました。クラブ・クリークでピンクの砂がターコイズブルーの水に溶け込んでいく景色、ケーブル・ビーチの鮮やかな夕焼け、そしてレッドデル・ビーチの赤く光る岩がとても気に入りました。

カナナラでは?
カナナラの規模と歴史に圧倒されました。樹齢1,500年のボアブの木や、アーガイル湖の広大さを見ると、物の見方が変わります。


オーストラリアモデルを着用

ヤウル地区のガンソーム岬でのウィル・カリンバ、インディア・アンダーソン、ネイオミ・スティーヴンズ、アンガス・マイニアーとシンディー・ロストロン
撮影:ジェイムズ・ジャイルズ


4)世界屈指の都市で、世界屈指の巨大ファッションブランドとコラボレーションをされてきました。そのような場では、疑いなく、人々や場所が、どの製品が市場に出されるかに影響を与えます。西オーストラリア州の人々や場所(風景、コミュニティー、海岸線)は、クリエイティブ業界にどのようなプラスの影響をもたらしていると思われますか。

ここでは、息を呑む風景や独特の動植物を、たくさん見ることができます。それが私たちにインスピレーションを与えてくれます。


5) #WeWearAustralian キャンペーンのクリエイティブコンセプトは、「自由」を中心としたものです。では、このプロジェクトを実施するにあたって、キンバリー地域が理想的な撮影場所になったのは何故ですか。

私がロケ地を選ぶ際のブリーフで求めたのは、画面から飛び出してきて観光客が西オーストラリア州に行きたいなと思ってくれるような、もっとも印象深く独特で別世界のような場所を見つけることでした。


カラフルな地形を披露するオーストラリアモデルを着用

モデル:シンディー・ロストロン、ヤウル地区のジャバラグン・ビーチ
撮影:クレア・ハート


6)5日間の撮影では、2ヶ所の素晴らしいロケーションで、10頭のラクダ、そして180を超えるブランドの撮影が行われました。大規模な撮影となりましたが、ブルームとカナナラ、そしてスポットや風景の独特さという点で、何に最も驚かれましたか。

私はこれまで、世界中の素晴らしいロケーションで撮影を行ってきました。ブータン、エチオピア、マラケシュなどです。その中でも、私たちの故郷の風景は、世界屈指でありつつも、まだあまり知られていないのではないか、というのが正直な感想です。その魔法のような風景を撮影して世界と共有できる機会に感謝しています。


7)過去18カ月間にわたって、ファッション業界でも旅行業界でも、地元の人々を支えるということが重要なテーマとなってきました。西オーストラリア州の近場で、他にどのような新しい冒険をされましたか。

デンマークでのグランピング旅行、マーガレット・リバー地域でのワインの試飲、キャンピングカーで行ったコーラル・ベイとエクスマウスでジンベエザメと泳いだ経験、ロットネストでのんびりと過ごした冬の1週間、そして春にモンキー・マイアまで行った魔法のようなロードトリップです。


8)キンバリーを一通りご自身で体験された今、次に戻って来られる時にはどのような冒険をしてみたいですか。

バングルバングル山脈のカテドラル・ゴージとエキドナ・カズム、Mangrove Hotelから眺める水面の月、バッカニアー諸島、グーンバラジン、エコ・リトリート、そしてエル・クエストロです。



公開日:2021年12月