パース沖に浮かぶ海の宝石、ロットネスト島は、1〜2日かけてゆっくり過ごすのがお勧めですが、事前にしっかりと計画を立てれば、半日でも十分に満喫できます。


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ロットネスト島(Rottnest Island/Wadjemup)は、訪れる人すべてを魅了する美しい島です。「ロット」の愛称で親しまれているこの島は、島内や周辺地域の住民によって、何世代にもわたって保護区として大切に守られてきました。島内には、アクティビティを思い切り楽しめるスポットが各所に点在しています。ロットネスト島へは本土からフェリーでアクセスできます。所要時間の目安は、フリーマントル(Fremantle/Walyalup)から約30分、パース(Perth/Boorloo)からは約90分です。ゆったりと時間が流れるこの島で、忙しい日常を忘れ、心ゆくまでリラックスしましょう。このページでは、ロットネスト島を半日で満喫するアイデアをご紹介します。


自分のペースで島を探検

トムソン湾集落(Thomson Bay settlement)で下船したら、ほとんど車が通らない静かな楽園を自分のペースでゆったりと散策しましょう。ロットネスト島ではハイキングが人気のアクティビティです。島全体を網の目のように繋ぐ「ワジェマップ・ビディ(Wadjemup Bidi)」と呼ばれる遊歩道が整備されているので、この道の一部を辿ってハイキングを楽しみましょう。平均的なコースの所要時間は3~4時間ほどです。

レンタサイクルも人気のオプションです。ペダル&フリッパー・ハイヤー(Pedal & Flipper Hire)では、自転車だけでなくシュノーケル用品も貸し出しているので、ぜひ利用して、ザ・ベイスン(The Basin)のターコイズブルーに輝く澄んだ海へ出かけましょう。ロットネスト島には、美しい湾が20か所、手つかずの自然が残るビーチが63か所あります。滞在時間と電動自転車のバッテリーの許す限り、できるだけ多くの場所を訪れてみましょう。あまりアクティブに動きたくない方は、大自然が残るウェスト・エンド(West End)をはじめとする19か所の絶景スポットに停車しながら島内を巡るクオッカ・コーチズ(Quokka Coaches)のバスを利用してみましょう。ガイド付きツアーもお勧めです。

ロットネスト島は、セグウェイ・ツアーズWA(Segway Tours WA)を利用してユニークな視点で観光するのも一案です。所要時間2時間の「ロットネスト・コースタル・エクスプローラー(Rottnest Coastal Explorer)」では、島の内陸部を探検し、カラフルな塩湖やサムファイアが一面に咲くブッシュを訪れます。さらに、きらめく海岸線や歴史あるバサースト灯台(Bathurst Lighthouse)にも立ち寄り、息を呑むほど美しい島全体の絶景を一望できます。また、ツアーの日程には、ジョーディー湾(Geordie Bay)での軽食付き休憩タイムも入っています。


セグウェイ・ツアーズWAによるロットネスト島のセグウェイツアー

ロットネスト島、セグウェイ・ツアーズWA


島の人気者、クオッカに大接近

ロットネスト島では、高確率でクオッカ(quokka/kwoka)が姿を現わします。好奇心旺盛なクオッカは、常に笑顔を浮かべているような愛らしい姿から「世界一ハッピーな動物」として知られており、訪れるすべての人々を温かく迎える島の人気者です。実は、「ロットネスト島」という名称はクオッカに由来します。この島に初めて上陸したオランダ人が、ワラビーの近縁種であるクオッカを巨大なラットと勘違いして、「ラットのネスト(ラットの巣)」と呼んだことが島の名の由来です。

もちろん、ロットネスト島には、キュートな有袋類のクオッカだけでなく、多様な野生動物が生息しています。森林地帯では、キバラモズヒタキやアカビタイサンショクヒタキなどの姿を見かけます。一方、湿地帯ではオオアジサシやシギ類をはじめとする水鳥のほか、モーニング・フロッグやモーターバイク・フロッグといった珍しい両生類を観察することができます。

海洋生物も非常に多様で、穏やかな暖流に恵まれたロットネスト島周辺には130種を超える熱帯魚やアオウミガメが生息しています。運が良ければ、南へ回遊する途中のザトウクジラが見せる豪快なブリーチング(大ジャンプ)や、岸辺で戯れるイルカの姿を目にすることができます。


ケーバーシャム野生生物公園 (Caversham Wildlife Park), スワンバレー

ロットネスト島、クオッカ


島に秘められた歴史を紐解く

ロットネスト島(Rottnest Island/Wadjemup)は、およそ6,000年前までは本土と地続きだったとされており、先住民のワジュク・ヌーンガー族は現在の島に当たる場所を「魂が海を越えて旅立つ場所」と捉え、重要な集会を行う神聖な場所として大切にしてきました。一方、この島には近代史における悲しい記憶も刻まれています。かつてアボリジナルピープルが収容されていた刑務所が存在し、彼らが受けた深い苦しみと痛みは、今なお語り継がれています。ゴー・カルチュラル・アボリジナル・ツアーズ(Go Cultural Aboriginal Tours)を利用すれば、歴史と文化に深く触れる旅へ連れて行ってもらえます。伝統的な砂と水を用いたウェルカム・セレモニーから始まる体験は、きっと心を豊かにしてくれるはずです。

ロットネスト島には航海や軍事の歴史が色濃く刻まれており、危険な暗礁を避ける灯台や、戦時中に要塞として使われた施設など、さまざまな物語が眠っています。オリバー・ヒル(Oliver Hill)の地下トンネルを探検し、岸近くの沈没船周辺でシュノーケリングをすれば、島に刻まれた歴史の断片を肌で感じ取ることができるでしょう。

ワジェマップ博物館(Wadjemup Museum)は、囚人として捕らえられていたアボリジナルピープルが建設した製粉所兼干し草倉庫を改装した施設で、ロットネスト島の多層的な歴史が一つの空間に凝縮されています。クジラの骨や灯台守のジャケット、製粉石など、一つひとつの遺品に込められたストーリーを思い描きながら涼しい展示室をゆっくり歩いて、深い学びと気付きを楽しみましょう。


ロットネスト島のリトル・サーモン湾でシュノーケ リング

ロットネスト島、リトル・サーモン湾


アドベンチャーではエネルギー補給を忘れずに

ロットネスト島には、軽食からボリューム満点の豪華メニューまで多彩なグルメが揃っています。島でのアドベンチャーの始まりや締めくくりには、ピンキーズ・バー&レストラン(Pinky’s Bar & Restaurant)がお勧めです。ピンキー・ビーチ(Pinky Beach)やバサースト灯台(Bathurst Lighthouse)を望む一等地にあるこのバー&レストランでは、朝のコーヒーや夜のカクテルをはじめ、西オーストラリア州産の食材を活かしたシェフ自慢のメニューを楽しめます。

もちろん、ファミリーで楽しめる人気のスポットもあります。カジュアルな雰囲気のフランキーズ・オン・ロット(Frankie’s on Rotto)では、ピザやパスタ、サラダなどをたっぷり味わえます。レストランの向かいには公園があるので、帰りのフェリーの出発時間まで子どもたちを自由に遊ばせながら、冷たいドリンクを片手にのんびり過ごせます。復路のフェリーに乗る前に、ロットネスト・ベーカリー(Rottnest Bakery)名物のジャムドーナツをお土産に買っていきましょう(人気商品のため、売り切れてしまうこともあります)。

ランチには、ホテル「サムファイア・ロットネスト(Samphire Rottnest)」内のレストラン「ロンタラ(Lontara)」のご予約をお勧めします。トムソン湾(Thomson Bay)を望むプールサイドで豪華なアジア料理とワインを味わいながら、至福のひと時を過ごせます。一生の思い出となるような贅沢なアドベンチャーをお求めの方には、ロットネスト・クルーズ(Rottnest Cruises)がお勧めです。美しい海をクルージングしながら、新鮮でボリュームたっぷりのシーフードを陽光溢れるデッキの上で心ゆくまで堪能できます。

旅のアドバイス: フェリーの時刻は事前に必ずご確認のうえ、計画的に行動されることをお勧めします。島の魅力に惹き込まれるあまり、フェリーの出発時刻をうっかり逃してしまうことがありますので、ご注意ください。


ロットネストクルーズ

ロットネスト・クルーズ


(情報: 2025年4月現在)