ポール・'ヨーダ' に会う

カム・ボストック

ドリーマーのポール・'ヨーダ'・イスコフは、ファーバー(Fervor)のヘッドシェフです。ヨーダは、人々を地元の食材と結びつけることでコミュニティに恩返しをしたいという思いからファーバーを立ち上げました。これらの食材の多くは、食の不平等により長らく過小評価されてきたものです。

持続可能性、ファースト・ネーションズの権利、そして地元の食の卓越性に情熱を注ぐヨーダは、高級料理の喜びと難しさを若いシェフたちに伝えながら、食材の生産から味わいに至るまで深く考える料理のあり方を指導してきました。製造と味について深く考えながら、多くの若いシェフに高級料理の喜びと難しさを教えてきました。

パース(Perth)のアミューズ(Amuse)、コペンハーゲン(Copenhagen)のノーマ(Noma)、サンパウロ(Sao Paulo)のDOM、メキシコシティ(Mexico City)のプホル(Pujol)といった世界有数のレストランで経験を積んできたヨーダですが、彼がこよなく愛しているのはヌーンガー・カントリー(Noongar Country)の海岸線です。とりわけグレートサザン(Great Southern)地区のアルバニー(Albany/Kinjarling)周辺を気に入っており、そこでは第二の故郷とも言える海に入っている姿がよく見られます。


質疑応答

こうした在来食材への関心は、どこから生まれたのですか?

私は以前からオーストラリアの在来食材に強い関心を持っていて、この20年ほどはそれらについてより深く学ぶことを自分の使命のように感じてきました。西オーストラリア州には、キンバリー(Kimberley)、ピルバラ(Pilbara)、グレートサザンなど地域ごとにさまざまな食材があり、その多様さが魅力です。私にとって大切なのは、カントリーへ出かけ、トラディショナル・カストディアンから学ぶこと。食材そのものだけでなく、それにまつわる話、私たちをその食材や土地と結びつけてくれる物語を知ることでもあります。そうした話を聞いていくうちに、時間や場所というものへの理解が深まり、西オーストラリア州がいかに特別な場所かを実感するようになるのです。

土地や文化は、あなたの創作や料理方法にどのような影響を与えていますか?

西オーストラリア州は本当に多様で、ユニークで特別な食材が数多くあります。私たちは西オーストラリア州のあらゆる地域からインスピレーションを得て、それぞれの地域をしっかりと表現する料理を考えています。

また、料理をするうえで、常に敬意をもって取り組むことも大切にしています。カントリーで時間を過ごし、コミュニティや長老たちの話に耳を傾けた経験を、食材の扱い方にも反映させています。そして、それらの食材の魅力をできるだけシンプルで混じりけのない形で引き立てたいと考えています。私たちは常にコミュニティからの教えを大切にしています。

そのカントリーの物語を語っていると感じる食材や料理があるとしたら、それは何ですか?

カントリーの物語をよく伝えてくれる食材のひとつがハチミツです。ゴールドフィールズ(Goldfields)地域でアウンティたちと一緒に過ごし、ハニーアントを掘り出して、そのハチミツを味わう。それは驚くほど豊かな風味で、とてもユニークな食材です。私にとって大切なのは、家族やコミュニティの人々と共にカントリーで時間を過ごし、人々が伝統言語で語り合いながら次の世代に知識を伝えていくのを聞くことです。そうすることで、これらの食材を集めるのにどれほどの手間がかかるのか、そしてそれがどれほど特別なものなのかを実感するようになります。

自然の中での食体験では、どのようなものが特に印象に残っていますか?

これまで西オーストラリア州の各地で、素晴らしい食体験をたくさん重ねてきました。キンバリー(Kimberley)地域のバングル・バングル・レンジ(Bungle Bungle Range)、パース近郊のピナクルズ砂漠(Pinnacles Desert)、そしてグレートサザン海岸沖にあるアルバニーの島々など、さまざまな場所で料理をする機会に恵まれてきました。どれかひとつを選ぶのは難しいですね。もう12年ほど前になりますが、ピナクルズで開催したイベントのエネルギーは本当に素晴らしくて... まるで夢のようでした。まるで魔法のような時間で、その場には特別な高揚感が満ちていました。あれをもう一度やりたいですね。

昨年行った取り組みのひとつが、マーガレット・リバー地域(Margaret River)の美しいカリ森林(Karri forest)での調理でした。地元の食材や在来食材に焦点を当てたロングテーブルの食事会です。こうした在来食材について学ぶことはとても大切です。なぜなら、それらは西オーストラリア州ならではの物語を伝えてくれるからです。サウス・ウエストにいれば、そうした食材は私たちのすぐ周りにあります。森を歩いたり、ビーチ沿いを歩いたりすると、そうした食材が目に入ってきます。すぐそこにあるんですよ。これは、西オーストラリア州のどこにいても、この土地を実感させてくれる体験です。

世界で名高いレストランで料理をしてきた経験をお持ちですが、西オーストラリア州のフードとワインのシーンはそれらと比べてどうですか?

西オーストラリア州のフード&ドリンクのシーンは世界トップクラスです。素晴らしいシェフがたくさんいますし、ワインメーカーもおいしくてとても個性的なワインを生み出しています。オーストラリアの他の地域や世界と比べても、ハイエンドでトップレベルのフードとワインという点で、私たちは肩を並べる存在だと思います。

ここ数年でフードシーンは大きく発展しました。才能あるシェフが本当に多く、在来食材を使いながら、その食材がどこから来たのかという物語を伝える料理人も増えています。たとえば海岸沿いのマーガレット・リバー地域、ピルバラ、キンバリーなど、それぞれの地域にはその土地ならではの素晴らしいシーフードがあるのです。西オーストラリア州のシェフたちは、ここで手に入る食材がいかに新鮮で、手つかずの良さを持っているかを見事に表現しています。

西オーストラリア州のワインや飲料のシーンも卓越しています。州内にはさまざまなワイン産地があり、マーガレット・リバーのワイン産地のように、世界でもトップクラスといえる地域もあります。この土地のワインを味わうために世界中から人々が訪れるほどです。さらに、新しいビール工場や、この地で造られている素晴らしいジン、さまざまな蒸留酒も注目されています。

ドリーマーとは何ですか?

ドリーマーとは、想像力を持った人のことです。世界に対する驚きや好奇心を胸に、この世界を歩き回る人です。そして、人とカントリーを結びつける体験を求めている人でもあると思います。

他のドリーマーたちについて、最初の印象はいかがでしたか?

このグループの一員になれたことをとても幸運に思っていますし、本当に感銘を受けました。皆が心から情熱を持っていて、それぞれが非常に興味深い何かを持ち寄っています。このグループには大きなエネルギーがあり、西オーストラリア州がどれほど特別で美しい場所なのかを力強く伝えることのできる存在だと思います。