西オーストラリア州のコーラル・コースト(Coral Coast)は、手つかずの自然と雄大な風景で知られています。実は、このエリアではバリアフリー対応が充実しており、身体に不自由のある方も安心して観光を楽しめるよう、さまざまな工夫が施されています。


ジュリー・ジョーンズ氏と西オーストラリア州政府観光局の特集記事

車椅子を利用するブレイデン君は、西オーストラリア州のコーラル・コーストで、家族と共にアドベンチャーに満ちた最高の2週間を楽しく過ごしました。


ターコイズ湾

ニンガルー、ターコイズ湾


ブレイデン君一家の旅はパースを出発地点とし、初日はショッピングやダイニングに便利なノボテル・パース・マレー・ストリート(Novotel Perth Murray Street)に滞在しました。このホテルは、エリザベス運河(Elizabeth Quay)などの観光名所へもアクセスが良く、旅行者に人気の宿泊施設です。パースを発った一家は、エクスマウス(Exmouth)へと向かいました。この街は、ニンガルー・リーフ(Ningaloo Reef)やケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)へのゲートウェイとして知られています。雄大な自然に囲まれたこの地域では、スーパーの駐車場を歩く野生のエミューの姿が日常の一部となっており、ヤーディー・クリーク(Yardie Creek)の黄土色の崖を棲みかとするロックワラビーなど、さまざまな野生動物との出会いを楽しめます。

ニンガルー・サファリ・ツアーズ(Ningaloo Safari Tours)やコーラル・エクスプローラー・グラスボトムボート(Coral Explorer Glass Bottom Boat)など、現地のガイド付きツアーを活用しながら、一家はこの地域ならではの雄大な自然を存分に満喫しました。バリアフリー対応のツアーを利用したことで、ブレイデン君は、家族がリーフでシュノーケリングを楽しむ間、ウミガメやエイ、色とりどりのサンゴ礁などをじっくりと観察できました。

この日、特に印象に残ったのは、ターコイズ湾(Turquoise Bay)でした。ミリェリン・ディスカバリー・センター(Milyering Discovery Centre)ではビーチ専用車椅子「サンドクルーザー(Sandcruiser)」を無料でレンタルできたので、ブレイデン君は美しいターコイズブルーの浅瀬に入り、海水浴を存分に楽しむことができました。


モンキーマイア

デンハム、モンキーマイア


一家はエクスマウスからさらに南下し、次の目的地カーナーヴォン(Carnarvon)へと向かいました。「西オーストラリア州の食糧庫」として知られるカーナーヴォンでは、トロピカルフルーツや新鮮なシーフード、色とりどりの野菜など、さまざまな食材が生産されています。カーナーヴォンまでの道中、一家は農家の直売スタンドやユニークなサボテンガーデンに立ち寄り、寄り道を楽しみながら旅を満喫しました。

ジョーンズ一家はモンキーマイア(Monkey Mia)で、野生のイルカとの触れ合いを楽しみました。また、パーフェクト・ネイチャー・クルーズ(Perfect Nature Cruises)のバリアフリー対応双胴船を利用して、楽しいクルーズも満喫しました。ジュゴンの親子など珍しい動物を見ることができ、一家は忘れがたい素敵な思い出を作りました。この地域では、ビーチ専用車椅子などのバリアフリー設備を活用することで、身体が不自由な方も、現地の野生動物保護ルールを守りながら充実した時間を過ごせます。

ジョーンズ一家は、イーグル断崖(Eagle Bluff)に設けられた全長100mのバリアフリー木道を利用して、安全に絶景を眺めました。さらに、カルバリ・スカイウォーク(Kalbarri Skywalk)に設置された、マーチソン川(Murchison River)の渓谷を一望できる大迫力のパノラマ展望スペースもバリアフリー対応だったので、素晴らしい景観を心ゆくまで楽しむことができました。


カルバリー国立公園

カルバリ、カルバリ国立公園


ジョーンズ一家はさらに南へと旅路を進め、ジュリアン湾(Jurien Bay)に到着しました。ここではターコイズ・サファリズ(Turquoise Safaris)の現地ツアーに参加し、ボートに集まる人懐こいアシカを眺めながら楽しい時間を過ごしました。一家はシュノーケリングや船上でのリラックスタイムなど、思い思いにアクティビティを楽しみました。午後はサンディー・ケープ(Sandy Cape)に立ち寄り、さらにピナクルズ砂漠(Pinnacles Desert)もロードトリップで探検しました。砂漠を往復したことで、日中と日没それぞれの異なる美しい風景を眺めることができました。日没後は、ルミニアー(Lumineer)の星空観察ツアーを利用して、幻想的で美しいコーラル・コーストの夜空を堪能しました。


帰路に就く前の最後の目的地は、ロットネスト島(Rottnest Island/Wadjemup)でした。日帰りで訪れ、愛嬌たっぷりのクオッカを観察した後、バリアフリー対応のシャトルバスやゴルフバギー、電動自転車を活用しながら島内を存分に探検しました。ビーチや更衣スペースはバリアフリー対応で、島内の交通機関にも配慮が行き届いていたため、ジョーンズ一家にとって、ロットネスト島で過ごしたひと時は旅の締めくくりにふさわしい特別な思い出となりました。

コーラル・コーストは地図で見ると距離を感じるかもしれませんが、実際に足を運んでみると、あらゆるニーズに応える多彩なアクティビティが整っており、誰もが安心してアドベンチャーを楽しめる旅先であることが実感できます。心身に特別なニーズを持つ方でも西オーストラリア州の美しい自然を存分に体験できるよう、現地では専門のツアー会社がバラエティに富む企画を展開しています。また、各地のインフラも丁寧に整備されており、誰もが安心してアクセスできる環境が整っています。


* 今回の記事に登場したブレイデン君は、車椅子を使用していますが、立って移乗できます。また、家族のサポートを受ければ短距離の歩行も可能です。そのため、体験内容は他の方と異なる可能性があります。


(情報: 2025年5月現在)