マックス・ブレアリーによる特集記事


ワジュク・カントリー(Whadjuk Country)にあるスワンバレー(Swan Valley)地域や、西オーストラリア州のサウス・ウエスト(South West)のワダンディ・ヌーンガー(Wadandi Noongar)などでは、先駆的な生産者らがオーガニック農法やバイオダイナミック農法を取り入れたワイン生産の試みを何十年にもわたって続けており、今では他の地域にも広がりつつあります。

化学肥料や農薬を使用しないオーガニック農法は広く知られていますが、もう一方のバイオダイナミック農法はブドウ園を生態系と見なすものです。土作りや丈夫なブドウの木の栽培に、肥料などの調合、手法、月の満ち欠けなどを取り入れています。ワイン生産者の多くは、「ワインはブドウ園で作るもの」と語り、それこそがこの精神を表す究極的な言葉と言えるでしょう。


Cullen Wines, マーガレット・リバー

バイオダイナミック・ワイン生産の指導者であるヴァンヤ・カレン(Vanya Cullen)は、否定的な見方をする人々もいるものの、バイオダイナミック農法は彼女の家族が50年以上にわたってブドウを育てている土地によい影響を与えていると確信しています。現在、バイオダイナミック農法は、この農法で生産された地元産の食品を扱う有名レストランにも受け入れられています。高評価を得ているカベルネ・ソーヴィニョンのダイアナ・マデリン(Diana Madeline)は、まさにこの農法の正当性を証明するものと言えるでしょう。

マーガレット・リバー、バーンサイド・オーガニック・ファーム

マーガレット・リバー、バーンサイド・オーガニック・ファーム

マーガレット・リバー、バーンサイド・オーガニック・ファーム

ララ・マッコール(Lara McCall)とジェイミー・マッコール(Jamie McCall)が生産しているアボカドとケイパーは大評判。またマーガレット・リバーの中でも最も小規模なワイナリーの一つも経営しています。彼らの家族のうち、一番下の息子のダンは、赤ワインのジンファンデル(Zinfandel)や、最近人気が高まっているヴェルメンティーノ(Vermentino)種を使った自然派スパークリングワインのペットナット(Pet Nat)の生産を手伝っています。農場だけでなく、この家族は活気あふれる地元のファーマーズ・マーケットにも出店しており、そこで素晴らしいワインを販売しています。この地域特産の農産物を見て歩き、新鮮な完熟フルーツの香りを楽しみ、ワインが生産されている土壌が醸し出す息吹を感じましょう。ここでは、生産者の夢がボトルに詰められ、農場にあるラグジュリーな宿泊施設で栓を抜かれ、その味を堪能されるのを待っています。ここでしかできない素晴らしい体験です。


マーガレット・リバー、ブラインド・コーナー

一流の「自然派ワイン」の生産者です。単なる一時的な流行に流されるのではなく、極力手を加えないこと(この地においてもオーガニック農法やバイオダイナミック農法にこだわりすぎない)こそ、数千年にわたるワイン生産の手法に近いものでしょう。このセラードアには素朴な魅力があり、この地域のワイン生産者ならではの、海の近くののんびりとしたライフスタイルが生かされています。


マーガレット・リバー、ボイジャー・エステート

マーガレット・リバー、ボイジャー・エステート


マーガレット・リバー、ボイジャー・エステート

素晴らしいセラードアとワインで有名で、カベルネ・ソーヴィニョンとシャルドネはこの地域を支えていると言っても間違いではありません。オーガニック農法の認定試験は約20年前に確立されています。ボイジャー・エステート(Voyager Estate)の認定は2017年に始まり、2023年に完了しました。変革が止まることはなく、160ヘクタールに及ぶ再生可能農場プロジェクトによって、いずれはこのエステートにレストランも併設される予定です。オーガニック農法の視点からソムリエと一緒にワインを味わう実践的なツアーに参加すれば、さらに多くのことを知ることができます。 


マーガレット・リバー、スィ・ヴィントナーズ, Margaret River

イーウォ・ヤキモウィッツ(Iwo Jakimowicz)とサラ・モリス(Sarah Morris)は2010年に12ヘクタールの土地を手に入れ、彼らが何年にもわたって北半球と南半球を行き来して、ヴィンテージ・ワインについて学んできたことを実践する場を設けました。この名前自体はスペインで過ごした時間を表しています。ワインの発酵タンクはコンクリート製の卵形のもの。そして極力手を加えない方式を取り入れています。そして彼らは熱心なファンも獲得しています。


マーガレット・リバー、マックヘンリー・ホーネン, Margaret River

現在バイオダイナミック農法へ転換が進みつつありますが、マックヘンリー・ホーネン(McHenry Hohnen)では長年にわたってその技術を採用してきました。フォレスト・グローブ(Forest Grove)のセラードア(マーガレット・リバーから20分足らず)には、土壌の種類と方法がわかりやすく説明されています。もちろん、ただゆっくりとくつろいで、のんびりと試飲することもできます。


マーガレット・リバー、ウィンドウズ・エステート

マーガレット・リバー、ウィンドウズ・エステート・ヴィンヤード・ツアー


マーガレット・リバー、ウィンドウズ・エステート

ウィンドウズ・エステート(Windows Estate)は典型的な小規模の家族経営のワイナリー。まさにワインが好きで仕事をしている家族が手がけています。クリス・ディビス(Chris Davies)とジョアン・ディビス(Joanne Davies)は、ケーブズ・ロード(Caves Road)からすぐの所で20年以上にわたってブドウを育て、作ったワインの評判を高めてきました。今では個性的なペティート・エコ・キャビン(Petit Eco Cabin)に宿泊できるようにもなりました。キャビンからはオーガニック農法で育てられているシャルドネの畑を眺めることができます。反対側からは屋外のお風呂に入ってため池を眺めることができます。また8名までのグループで魅力的なツアーを予約すれば、クリスまたはジョアンの案内でエステート内を巡り、ブドウ畑での大切な作業と、それがワインの品質にどう影響するかを知ることができます。ツアーの締めくくりはセラードアでの試飲。この体験を通じて、大地とワインの相互のつながりについて理解が深まるでしょう。


ウィルヤブラップ、ストームフラワー・ヴィンヤード

ストームフラワー・ヴィンヤード(Stormflower Vineyard)には、「シングル・ヴィンヤード・フィロソフィー」という、この土地で育ったブドウだけでワインを作るという理念があります。2020年にオープンした敷地内の新しいワイナリーのおかげで、収獲したブドウを運ぶ距離はこれまでよりも短くなり、シュナン・ブラン(Chenin Blanc)やフィールド・ホワイト(Field White)といった少量限定のワイン生産の実験も行われるようになりました。ピクニック用の芝生もあり、ここでは館内に用意されているおつまみから自分の好きなものを大皿に盛って行き、ワインと組み合わせて試飲を楽しむことができます。美味しいおつまみを味わいながら、周囲の美しい緑に太陽の黄金の光が降り注ぐのを眺めましょう。

ペンバートン、マウントフォード・ワインズ 

ペンバートン(Pemberton)はパースから3時間45分ほどで行ける場所にあり、サザン・フォレスト・アンド・バレー(Southern Forests and Valleys)地域の一角を占めています。純血種の肉牛の繁殖で有名なところです。また南半球における黒トリュフ生産の中心地でもあり、「同じ土地で育ったものは、互いによく合う」と言われています。冷涼な気候の下で育ったピノ・ノワール(Pinot Noir)は、多くの人にとって真の味覚の発見となることでしょう。マウントフォード・ワインズ(Mountford Wines)の創業は1987年。今ではこの地域で最も古いワイナリーの一つで、リンゴ酒のシードルも高い評価を得ています。


スワンバレー、ハリス・オーガニック・ワインズ

スワンバレー(Swan Valley)は西オーストラリア州で最も歴史のあるワイン産地です。オーナーであり、ワイン生産者であるダンカン・ハリス(Duncan Harris)は1998年に土地を手に入れました。オーガニック認証を受けており、生産するオーガニック製品をワインからスピリッツにまで広げています。ここへはパースのシティー・センターからわずか30分で行くことができます。またスワンバレーのブドウ園やレストランは、1時間足らずでインド洋を眺めに行くことができるとして有名です。


(情報:2023年6月現在)